通関士の仕事とは
通常、国内への輸出入を行う際、通関業務が必要になってきます。
通関とは、貿易における輸出入に際して、貨物の品名/種類/数量/価格などに関する事項を申告する業務のことです。
これらは通関手続きとされるもので、関税など必要な税金を納付させる為の必要な措置です。
このような業務は、財務大臣の許可を受けた通関業者が行うのが通例で、こうした作業の手続きを行う通関士の役割です。そうした、通関に関する手続きが行われず、輸出入を行うことは密輸行為に当たります。
したがって輸出の場合、通関手続きに不備があれば、内国貨物から外国貨物にならず船積できません。また逆もしかりです。
限定的にテレワークが開始
2度目の緊急事態宣言がなされ、政府のこれまでの対応に非難が殺到していますが、これに呼応してテレワークで出勤者7割削減を目指すとの見解が、経済再生担当大臣の会見で発表されました。
7割削減が難しい企業などでは、時間差による出勤者減らしが求められ、なぜもっと早くコロナ対策がなされなかったのか、賛否両論といったところです。
こうした事態を受け、通関手続きに関する業務も、限定的にではありますが、テレワークが開始され始めています。
通関業務のテレワーク自体は可能で、2017年10月8日の通関業法基本通達改正によってすでに法整備は行われています。
しかし、現在の段階では、2020年11月の段階で、導入あるいは導入を検討している事業者がわずか5%に過ぎないようです。
テレワークが難しい理由
通関業務の在宅勤務は、テレワークはかなり難しいと言われています。
理由としては、税関への申請に対して、必要な就業規則や社内管理規定を急に準備するのが、かなり難しいことが挙げられます。
このような状況を踏まえ、財務省関税局はテレワークに関して自宅のみではなく、サテライトオフィスについても、申請を認める緩和策を発表しました。
これにより、2020年10月1日時点で、申請数もかなり増えてきており、4,045人について申請が行われているといいます。
しかし、問題はそれだけではなく、業務上の機密保持の難しさがあり、顧客の機密保持のためにコピーなどが、認められていないケースが多いのです。
機密漏えいは、会社の信用にもかかわることで、通関業務は社内でしか行えないのが現状です。
通関業務の難しさ
通関士は、依頼者の代理によって、通関に関する様々な書類を作成するのが仕事です。
主な作成書類としては、以下のものが挙げられます。
・輸出申告書
・輸入(納税)申告書
・仕入書(インボイス)
・船荷証券または海上運送状
・包装明細書
・輸出関係他法令の許可/承認証
・運賃明細書
・更正請求書
またほかにも、輸出物に関しては輸出統計品目表を使い、輸入物に関しては、実行関税率表を用いて分類する業務もあります。
記入内容に誤りがあれば、取引に遅れが生じるだけでなく、トラブルにつながる可能性もあり、正確さが求められるほか機密情報として取り扱わなければなりません。
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